野口芳宏節に酔いしれる1日

1鑑賞授業の指導のポイント

2 私の教師修行の道

3 実践発表 高橋宏滋先生・伊藤彰敏先生


   

 

・活動主義の授業はダメ。今の授業で先生は何を指導したのか分からないような授業ではダメ。
・子どもを向上的な変容をさせないような指導ではダメ。授業は一人ひとりをきちんと参加させること。そして鍛えること。
・「出来た人は・・・」と聞かない。「まだ出来ない人は・・・」と問うこと。
・(野口さんが発問。それを受けて、立って話す人、そのままの人、声が小さい人がいたことから)「同じ指示でこれだけ違う。以後、きちんと立って話しましょう」と指示。
・すばらしい授業は「攻めと受けの論理」の絶妙なバランスで成り立っている。
・「攻め」は計画。つまり指導案。この研究はよくやるが、受けの研究はあまりしない。これは難しい。受けは出た時の瞬時の判断。絶妙な情況の論理。
・「受け」のことは本にも書けない。
・(昼食時に)「受けを鍛えるためには」という質問を受けて「経験を意図的に積んで整理するしか・・・。僕は寄席が好きで行くよ。落語から学べるよ」と一言。

・終わることを楽しみにされる授業はダメ。先行きが楽しみにされるのがいい授業。緊張と期待が続く授業がいい。
・板書しながら声を出す。ノートを助けることになる。
・質問する子どもは分かっている子ども。成績のよい子どもが質問する。
・(会場で質問はないかと聞いたら、一人しか挙手がなかった。でも実際は多くの人が分かっていなかったことを受けて)「ねえ、子どもの主体性なんて、あてにしていたら育たないことがわかるでしょ」「わからなくても質問しないのだから」
・鑑賞は文脈規定生。文脈に基づいて判断するのだ。クイズじゃないのだから。
・すぐに書ける人は単純な人。思慮深い人はじっくり書く。でもまだ書けない人は深いのではなく、足りないのだ。
・小集団学習は授業の雰囲気を和らげる。子どもが固くなった時、公的私語を許す意味で小集団学習を入れても良い。

・(詩の一部に入る言葉を隣同士で話し合わせ、それで意見が変わった人が少ないのを示して)人の考えを聞いて自分の考えを変えるのは難しい。現実を知ろう。
・(考えが変わった人を立たせて)「何から何に変わったかを言ってください」
・(私は○から△に変わった人の意見を聞いて)「いい変容だといいねえ」
・出来ることより変わることがすばらしい。人間の格が違うね。

・文脈の規定性が甘いから、いろいろな解が入ってくる。
・(□に入る言葉を聞きながら)「どっちでもとれる、どちらともとれない顔つき。この受けが大切だ。」
・表現に基づいた隙間のない論理が大切だ。
・「ああ、あなたはそう考えたんだね」という指導しない風潮が全国に広がっている。これはいけないことだ。
・正しいことを正しいと教え、あやまちはあやまちと教える。それをいい加減にしているから国語力をダメにしている。
・(問いをなげかけて)「皆さん、頭の中でカーッと考えていますか。こんなに考えたのは・・・というのがいい授業」
・ここにいる相当な先生方も手を挙げられないでしょ。だから挙手に頼ってはいけないのだ」
・異論が出る時が伸びる時。
・(「私は○です」という発言を受けて)「こういう言い方はいいでしょ。ぎょっとするでしょ」
・(教える側と教わる側のどちらが偉い?と問いかけて)「なかなかスカッと答えられないでしょ。危険が伴うからね」

 
   

 

・学ぶと言うことは師を持つこと。学者は学ぶ人。教師は教える人。
・学ぶことはちょっと苦しいけどね。知性がいるからね。
・知性がない(低い)人は子分を作りたがる。自分が頂点にいたいからね。
・師匠を持つことを薦めます。
・経験は意図的に積んで、それに整理を加えること。
・授業案は5つも6つも作るんだ。授業になったらそれをすべて捨てよう。
・授業設計という人がいるがそれはダメ。設計図通りしなくてはいけないと思うから。設計図から狂ったら困るでしょ。
・情況の論理にあわせて授業をするんだ。
・私は指導案は事前に配らない。見ている人が点検者になってしまう。指導案は後で配ればいい。
・私は講演でもレジュメは配らない。講演を聞きながら、みんな下を見始める。
・(ノート1冊分教材研究をした仲間に対して、師の高橋金次先生は)やっぱり教材研究不足です。教材研究はどれだけやっても足りるものじゃない。
・読解は正確に。鑑賞は自由に。豊かな鑑賞は正確な読解によって得られるのだ。
・漢字をマスターさせた人は一人もいない。子どもは忘れるものだ。忘れさせない研究が必要。
・教え方がどんなによくても、子どもは忘れるものだ。
・陰山さんが「必達」なんていう言葉を言っているが、あれも無理をしている。
・目標は目標なんだからいい。教育基本法の中に、「教育は、人格の完成をめざし」とあるが、だからいいのだ。あれが「人格の完成をし」とあったら大変だ。野口さんの人格は完成していると思っている人は○、まだだと思っている人は×・・・なんて聞いてみたら、みんな×。
・校長は卒業式で最後の指導をする。3つの目標などを示しても、誰も覚えていない。
・飛び込み授業反対者がいるが、私は賛成。反対者は子どもを知らないのにできるわけがないというが、それなら4月1日から授業はできない。知りつつ、知りつつ、授業をするのだ。
・自分で言葉を整理することが力をつける。
・○○先生に出会ったからこうなったという場面がほしい。
・活動本位の授業は無駄。指導は導くことだ。

アンケート結果