フォーラム2005 in東京・IT活用による元気な学校づくり
実践発表(2)
「ITを活用した基礎基本の定着」〜個別プリントと家庭学習システムで子どもの学力UP〜
     
◆発表者 石川  学先生 小牧中学校教頭
  神戸和敏先生 小牧中学校教務主任
  森瀬晃子先生 小牧中学校教諭
  松永恒二先生 小牧中学校教諭
◆小牧中学校実践発表から
神戸 校務のIT化が進んで何をやるべきか考えて、教師として一番やっていかないといけないのは、学習。そういったものを保障してあげるのが大切かなぁと思い、次なる段階として、「家庭学習」と「Uプリント」というものを2年間かけて取り組んできました。家庭学習担当の森瀬から説明いたします。
森瀬 なぜ家庭学習に取り組んだか、理由はもちろん、学力を身に付けるための手立ての一つです。
学力を身に付けるため、授業改善を進めました。でも、その中で感じたことは、授業ではわかる・できる段階までは可能であっても、身に付くという段階まではなかなか引き上げることができないということです。授業の中でいい考えを発表したり、できるようになったと感動していても、テストの時、次の授業の時でさえ、なかなかできない、忘れてしまっている生徒がいる。その場ではできても毎日やらない、繰返してやらないから身に付かないと思います。そこで毎日できる方法が家庭学習である。この家庭学習をより効果的にやれば、学力が身に付くことになるはずだと考えました。
神戸 実際の流れを説明してください。
森瀬 今までは提出状況を担任がチェックしてノートに書いていました。これだと担任しか分からないので、コンピュータで提出状況を入力して、一括管理しようとするものです。
 
  • 教科の担当者がプリントを作成します。
  • 家庭学習担当の先生が、生徒一人ひとりのバーコードを印刷します。
  • 当日の朝、生徒がプリントとバーコードを教室に持って行き、帰りの会までにバーコードを切り離します。
  • 帰りの会にバーコードを配布し、バーコードをプリントに貼ります。
神戸 子どもたちは、全員一緒に家庭学習プリントに向かいます。
森瀬
  • 次の日ノートを提出します。
  • 担任は職員室に持って来て、バーコードをチェックします。
神戸 机の上にはノートパソコンとバーコードリーダーがあります。
森瀬
  • 家庭学習プリントを起動します。バーコードの入力画面を開き、バーコードリーダーでチェックします。
  • クラス分チェックすると、提出状況が確認できます。
神戸 この家庭学習に取り組んできて学級がどんなふうに変わってきたか、松永から話してもらいます。
松永 今まで、宿題は担任が集めて、チェックして・・・といった感じでした。学年全体、学校全体が同じことを同じ時間帯に取り組んでいるということもあって、宿題は出すものであるという意識が生徒に定着したということが一番大きなことだと思います。基礎学力を身に付けるということでやっているのですが、学級経営のクラスをまとめていくという手段でも使いました。
神戸 バーコードリーダーを使って読み込み、ITを使いながら、子どもたちの力をかりながら、こんな取り組みをしております。ばっちり進んでいますよね。
森瀬 提出率90%を目標という具体的なものが出されたので、担任としては、あれやこれやと考えて、それなりの数字がでるようになりました。中味が問題で、答えを写してきているなぁという生徒もおります。最初のうちは、とりあえず出そうということで、OKにしていましたが、提出率を達成すると、最初の目的であった学力を身に付けることにならないんじゃないか、ということで、中味を考えました。数学ですと、最初の頃は昨年までと同じように計算練習であったり、家で取り組み易い問題を作っていましたが、授業と連動して、授業でやった問題、授業でやってこれは弱いなぁという問題、これは徹底的にやらせたい問題をその日のうちに復習できるよう、プリントを作るようになりました。そうしたら、自分の力でやってきたというのがわかるプリントに変わりました。