教育の情報化とこれからの授業

堀田龍也(静岡大学助教授)


1 富山県滑川市での実践から

・ITはなくても教えられるけど、あるなら使ってみようと言った気持ちが大切。
・「ちょっとIT」がキーワード
・今までできなかったことをやろうというより、日常化できるIT活用を。
・情報教育はコンピュータの使い方を教えることではない。道具の使い方だけを教えている段階で終わるのは不幸。

2 コンピュータの仕組みを知る必要なし

・冷蔵庫の仕組みを知っていることは、活用することに必要ない。コンピュータも同じ。どう使うかが大切。
・表現方法は様々。何も全員がパワーポイントで発表する必要はない。しかし、全員が一度はコンピュータでやってみることが大切。そして、本当はその後が肝心。様々な方法で発表させようという学習が組まれているかどうかだ。

3 コンピュータだけでがんじがらめにしない

・基本的にはコンピュータ室はコンピュータを活用する部屋であるが、よりよい発表をすることを考えたら、この写真(コンピュータ室で二人で向き合って発表の練習をしている写真)のように、コンピュータ室でやればいい。コンピュータを使うことばっかりに気がいってしまって、何が大切なのかを忘れてはいけない。

ネットでの交流学習のよさは、相手に伝える力を養えることだ。相手がネットの向こうにいることが工夫を生み出すのだ。

4 IT社会のキーワードから学校を見る

・スピード
・アライアンス/アウトソーシング
・アカウンタビリティ−
・オープンソース/ナレッジマネジメント<学校はどうか>
スピード感なし。なぜか効率を嫌う。
企業やNPOとの協同も必要。
説明責任、結果責任の点から学校のホームページはどうか。いまどき、企業でホームページのない企業はうさんくさいと言われている。学校はどうか。更新も含めて、発信するコンテンツの検討が必要。
知恵はできるだけ公開し、共有する精神も必要。なるほどと思ったら使う積極的な姿勢も必要。

 学校で教えるべき情報化

■情報/身の回りに情報がある。うまく情報を集める。伝える。 ■IT/身の回りにITがある。うまくITを使いこなす。■情報社会/身の回りは情報社会。うまく情報社会を生き抜く。
教師は、コンピュータの使い方を教えているだけではだめ。教師自身がコンピュータを使っていないといけない。教える立場の人間が、自らが使っていること。授業で先生が使っていれば、子どもは自然にその道具のよさを覚えるものだ。

6 IT活用でわかる授業を

教師には、コンテンツのよさを見抜く目が必要。このコンテンツでどう授業をするかを考えるのが教師。教師はコンテンツを作ることより使うことに重きを置くべき。
自分の授業をよりよくしたい。その思いを実現する手だての一つがコンピュータ。コンピュータは苦手だから・・・といっていられる時代ではない。授業をよりよくしたいという思いを具現化する手だての一つにコンピュータがあることを忘れてはならない。